シェアボスは、企業とボスたちのコラボレーションによって生まれるケミストリーを、もっともっと多くの方々に知っていただきたいと考えています。
今回はシェアボス代表である 岡村 直人の支援事例として、akippa株式会社 取締役COO 杉村大輔さんへインタビューさせていただきました。
目次
プロジェクト概要
契約形態 :
業務委託 (準委任)
商流 :
直接契約 (akippa ⇔ 岡村 直人)
契約期間 :
当初1ヶ月契約、3ヶ月更新に契約変更し2019年9月現在も継続中
就業条件 :
基本フルコミット/ 大阪50%・東京50% / リモートワーク有り
コーポレートアカウント発行 / BYOD
コミュニケーションツール :
ChatWork、ポリコム、Google Hangout、メール、Facebookメッセンジャー
ミッション :
- COO直下での戦略系業務全般
- 中期経営計画の策定支援
- 投資家への戦略説明とフィードバックの反映
- 事業開発における調査・企画・計画策定
- マネージャー陣の後方支援
「akippa」について
駐車場予約アプリ「akippa」は、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設・オフィスビル等の空いているスペースに、15分単位でネット予約して駐車できるサービス。誰でも簡単に駐車場をシェアできます。
2019年9月現在、予約駐車場サービス・駐車場シェアサービスで業界1位となる駐車場拠点数累計3万拠点を確保し、会員数は150万人を突破。2019年6月には駐車場を長期間まとめて予約できる定期利用サービスも開始しました。
経験豊富なボスは、スピード感が違う
直人:
杉村さん、本日はよろしくお願いします!
杉村氏:
よろしくお願いします。なんでもしゃべっちゃいますけど、あとでうまく編集してもらえるんですよね? (笑)
直人:
勝手には出さないので大丈夫です! (笑)
akippaさんには、6月からシェアボスとしてお手伝いさせていただいていますが、どうですか?
杉村氏:
いやあ、直人さんに入ってもらって爆発的に変わりましたね。
3カ年の事業戦略立案というオーダーで入ってもらいましたが、この2ヶ月弱のアウトプットで「次のステージに行けるな」という手応えができました。
直人:
おお!ありがとうございます。
杉村氏:
私はコンサル嫌いだったんですが、考えが変わりました (笑)
直人:
そうなんですか (笑)
杉村氏:
やっぱり一回転している人が入るとスピード感が違うな、と思いますね。
直人:
……一回転?
杉村氏:
私の専門は会計で、過去に IPO (マザーズ) とPO (東証鞍替え)、合わせて2回経験してるんですが初めての時と二回目だとスピードが全然違うんですよね。一度経験したことがある領域はゴールから逆算できるので。
その意味で、すでにある分野で経験があって結果を出している人を「一回転している人」と言いました (笑)。
直人:
なるほど。
杉村氏:
国内外の戦略コンサルも「整理」は得意なんですけど、その先の実行やグロースのフェーズはできないんですよね。直人さんはその点が違う。
市場環境を調べて、社内メンバーと 1on1 してヒアリングして強みや機会を整理するという一般的なコンサル領域から、その先のグロースの道筋まで作っていくというのがよかったです。
直人:
事業推進をしていた経験がお役に立てたのであれば嬉しいです!
経験豊富な人材を「補う」という発想への転換
杉村氏:
これからの akippa 事業に必要な人材も、最初は全員「採用」で考えていたんですが、今はちょっと考えが変わりました。
直人さんとか、直人さんが紹介してくれた【匿名希望】さん (データ分析の専門家) とか、適材適所でそういった何回転もしている人をスポットで配置し、“補う”という選択肢ができたのは大きいです。
直人:
もちろん良い人材を採用できるのがベストですが、杉村さんのようなIPO経験のある人、事業開発の成功体験がある人、ベンチャーから次のステージへ飛躍した人など、希少な体験をした人材は絶対数も少ないですし、条件も鑑みるとなかなか採用できないですよね。
杉村氏:
そうですね。akippaは大阪が拠点なのですが、採用という意味では良し悪しがあります。
メリットとしては、大阪で成長しているベンチャーの数は東京と比べて少ないので、相対的に採用競争力が発揮しやすい点。デメリットになるのは、IT系で経験豊富な人材はどうしても東京に集まってしまうので、そうした人材の獲得ですね。
直人さんのような外部人材に入ってもらい、先進事例や成功体験を社内にインストールすることで、採用という選択肢だけに頼っていたら時間がかかってしまうようなフェーズでもスピード感を落とさず、採用できないリスクもヘッジしながら走れるイメージが湧きました。
直人:
採用難は大阪に限らず、今やどこの企業でも聞かれる共通の課題ですね。外部人材を使うことのデメリットや、気をつけていることはありますか?
杉村氏:
デメリットではないんですが、受け皿となるプロパー (正社員) を必ずセットで付けるようにしています。
外部人材はアウトプットや業績へのパフォーマンスで評価しますが、そのノウハウやスキルを組織にしっかり取り入れていかないと一時的なもので終わってしまいます。
せっかく優秀な人材が当社に関わってもらえるのであれば、そのエッセンスを余さず取り入れたいと考えます。もし適任の正社員がいなければ別途採用してでも、伸びしろのある正社員と優秀な外部人材でチームを組ませるようにしています。
直人:
それ、いいですね!ペアプログラミングのように、タスクの消化と人材育成を同時にやってしまうというアイデアですね。
杉村氏:
はい。そのような変化の媒介になるという意味で、シェアボスのようなサービスはとてもいいと思います。
今後、人材はどんどん足りなくなっていきます。流動的な人材が血液のようにイノベーションの芽を循環させ、ケミストリーを起こせたら、イノベーションも活発化するんじゃないかと思います。
直人:
そうですね。
流動的な外部人材と正社員のタッグがケミストリーを生む
直人:
受け皿となる人材は、どのような基準でアサインしているんですか?
先ほど「伸びしろ」という表現がありましたが。
杉村氏:
大きく見ているのは2つかな。「地頭のよさ」と「変われる勇気」です。
直人:
「地頭のよさ」はよくわかるんですが、「変われる勇気」ってどういうことでしょうか?
杉村氏:
そうですね、前に進むために過去の成功体験を全てアンラーニングしてでも、新しいことを吸収する覚悟のようなもの、かな……。
直人:
なるほど。
杉村氏:
うちは中途採用が多いんですが、そうすると営業やIT系といったように、皆それぞれ前職での知識や経験を持っているんですよね。
でも、akippaのような「駐車場」「不動産」みたいなビジネスは、中途で入ってきた社員がこれまでやってきたのとは全く違う事業ドメインだし、ベンチャーだから施策や環境も目まぐるしく変化するのが当たり前なんですよ。
こういった環境の中で、これまでのやり方が通用しないとわかったら固執せずにそれを捨てて、新しいやり方を模索しようとする姿勢とでもいうのでしょうか。
直人:
確かに、私のような「外から来た異分子」と仕事してなにか吸収してもらおうと思ったら、保守的だとまずいですよね (笑)。
杉村氏:
そうなんです。でも、これができる人は本当に少ない。だから、やっぱり直人さんにジョインしてもらうしかないかな、と思っています。
直人:
いつでもオファーお待ちしています! (笑)
今、他に探している人材や領域はありますか?
杉村氏:
akippaはサービスそのものが魅力的で、なんというか心に刺さるものがあると思っています。
ただ、新しいサービスということもあり、これを伝えるのはとても難しい。そこを適切に伝えられる、マーケティング・コミュニケーションの領域は欲しいと思っています。
全体の戦略は直人さんと作って、残りは個別の部分で足りない人材をアサインしていく。採用できればいいですが、もし足りなければ外部人材を呼び、正社員とチームを組ませて組織に取り込んでいくという方法です。
直人:
杉村さん、本日はインタビューありがとうございました。
最後に、読者の方へ一言お願いします。
杉村氏:
駐車場のような「不動産 × Tech」という領域は、これまで国内で真にやりきれている会社はないと思っています。それは、事業ドメイン独特のノウハウや、地道な営業力が必要だったり、ITだけでは勝てない参入障壁の高さゆえ。
今のakippaはサービスとしても、リソースの面でも、だれもやったことがない領域までできる段階に来ていると思います。
大阪ではもちろん、東京オフィスでも様々なリソースを募集していますので、興味がある方はぜひご連絡ください!
担当ボス 岡村 直人 より
これまで支援させていただいた企業は上場企業から創業間もないスタートアップまで様々ですが、特にベンチャー企業の現場ではタイトなリソースの中で成果を出すことを求められるため、ヒリヒリした胃が痛い日が続きます。
大企業であっても新事業にかけられる予算や人材は限られているという点は同じなのですが、やはりコーポレートや人材の厚み、結果を求められるスピード感、施策ひとつひとつのクリティカル差が全く違う。身が引き締まる思いで日々の支援を担当させていただいています。
戦略というのは、実行して結果を出してなんぼ。どんなに合理的でも、美しくても、実行できない戦略は絵に描いた餅でしかありません。
経営陣の描くビジョンと実現のための道のりを、社員のみなさんと一緒に考え、共有しながらトライアンドエラーを繰り返す。ご一緒できる期間も限られており、わずかな力添えではありますが、自分がこれまでにビジネスマンとして培ってきた経験・知見・人脈等が、少しでも akippa さんの成長確度を押し上げられたらと思いながらという気持ちでお手伝いさせていただいております。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。