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高まるブランディングの重要度と難易度
企業が単にモノ・サービスを一方通行で売る時代は終わり、”価値”ないし”意味”を顧客と共有することが求められる昨今のマーケティング。一方、“ブランドアクティベーション”、”ファンマーケティング” ”SDGs” 等々、ブランドに関わるマーケティング用語が雨後の筍のように生まれている状況からも、ブランディングの最適解を掴む難易度が上昇していることがわかる。
本記事では、ブランディングの重要性や押さえるべきポイントを示しつつ、ブランディングにおいて、社外コンサルティングやスポットコンサル採用の選択肢を提示する。
ブランディングとは?
また、デジタルマーケティングが隆盛な昨今では、ブランドイメージを露出する媒体の幅・量は拡大しているが、無鉄砲な広告露出の増加が必ずしもブランディングに寄与するとは限らない。ブランドに意味をもたせる戦略・実行・管理が一気通貫していることが重要なのだ。
またブランディングは、そもそものブランドの在り方を決める「ブランド戦略」、ブランド戦略という設計に基づいて実際にアクションを起こす「ブランドマーケティング」、ブランド戦略の一貫性を保つために適切に管理を行う「ブランドマネジメント」といった取組みに細分化できる。
ブランディングの重要性・メリット
ブランディングが企業にもたらす代表的なメリットとして以下があげられる。
- 価格競争からの脱却
- リピート率の向上、安定した売上
- 過剰な広告費の削減
- 社内モチベーションの向上
- 優秀な人材の確保
価格や広告費の面での利点はイメージしやすいだろう。1〜3のような効果を得られるよう、消費者や顧客など外に働きかけていく戦略をアウターブランディングと呼ぶ。一方、4、5のように社内の意思統一や効率的な採用活動などの面で効果を狙っていく戦略は、インナーブランディングと呼ばれている。
また、ブランディングが確立されるメリットは企業だけではなく顧客側にもある。例えば顧客が製品/サービスから受け取る機能的なベネフィットが浸透していることで、製品選択のコストが削減されるし、製品/サービスを利用することで得られる情緒的なメリット(例:この製品を使っている自分はカッコよい / テンションが上がる、等)も最大化される。ブランディングは企業と顧客のWin-Winを作る取組みとも言えるだろう。
ブランディングの種類
一般的にブランディングの種類は以下の2つに大別される。◯◯ブランディングという言葉は多くあるが、基本的な概念をまず理解しておくことが重要だろう。
企業ブランディング(コーポレートブランディング)
企業を対象に行うブランディングであり、株主や取引先、従業員などのステークホルダーに共有したい企業の社会的イメージ、ないしMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させる試みを指す。具体的な施策例としては、コーポレートサイトやロゴ、会社案内の作成/刷新にはじまり、従業員の日々の立ち居振る舞い、提携先やパートナーの選定、法務周りを整えることも企業ブランディングに内包される。企業ブランド力が向上することで、取引や融資、採用などがスムーズになるメリットがある。企業ブランディングの確立は一朝一夕でできるものではなく、綿密な戦略を立てて実行に移す必要がある。
製品ブランディング(プロダクトブランディング)
製品・サービスに対して行うブランディング。他社製品と機能性や価値の側面で差別化を図り、選好度を高める試みだ。消費者が製品・サービスに興味関心を持ち、類似製品との比較検討から購入に至る4Pすべてのプロセスにブランディングが関わると言っても過言ではない。物理的なプロダクトであれば素材、パッケージ、キャッチコピー、デザイン、価格…と製品にかかわる全てがブランディングの対象だ。その製品ならではの付加価値が確立できたときこそ製品ブランディングが成功したと言えるときだろう。
ブランディング、自社でやる?コンサルティングに頼る?
ここまではブランディングの重要性やその役割について説明してきたが、実際に企業/製品のブランディングを主体となって進めるのは誰なのか。ブランディングの専門部署を設置している企業は多くないだろう。マーケティングの部署がブランディングを担当しているケース、あるいは経営企画や営業企画、広報部が担保している企業もあるかもしれない。
上述の通り、ブランディングは戦略策定から実行、管理までの一貫性が重要である。ブランド戦略を策定しても、それを顧客に知覚してもらわないと、全く意味がないと言える。ある企業に対する印象が、その企業の製品やサービスに反映されており、固有のベネフィットを一気通貫で知覚できる必要があるのだ。
例えばナイキ社の企業スローガン『Just Do It』の文字を見て抱く印象と、ナイキのCMから感じる印象、ナイキの店舗デザイン、実際にナイキのシューズを履いた際に感じる知覚にブレがないことがポイントになる。この全体性を作りだすのには、時間をはじめ多大なリソースが必要なるし、複数のプロジェクトを推進する実行能力も問われる。
このような全体のブランドマネジメントを経験している人材は非常に貴重な存在と言ってよいだろう。社内にそういった能力・経歴を持った人材がいなければ、知識や経験の豊富なコンサルティング会社を活用するという手が有力だ。
ブランディングをコンサルに頼む場合の選択肢は?
ブランドコンサル
ブランディングコンサルに特化したコンサルティング。ブランド戦略やブランディングを起点とするマーケティング領域の戦略策定だけでなく実行支援を提供してくれる。中にはクリエイティブ機能を持っているコンサルもある。電通や博報堂といった大手広告代理店もブランドコンサル機能を持っており、ブランドコンサルに特化した「博報堂コンサルティング」のように専門のグループ会社を保有しているケースもある。
戦略コンサル
企業の経営層が抱える問題の解決をサポートする戦略系のコンサルでは、ブランドを起点にコンサルティングするケースも多々ある。高いフィーが前提にはなるが、質の高いアウトプットとともに戦略的にプロジェクトを進める実行力には定評がある。
マーケティングコンサル
その名の通りマーケティングを専門とするコンサル。ブランディングに限らず、企業が抱えるマーケティング課題全体から、ブランディング面の改善提案を行ってくれるだろう。しかし、一言でマーケティングコンサルといっても、デジタルに強い会社、オフラインに強い会社など有象無象なので、過去のブランディングコンサルの実績をしっかり確認することが検討時においては重要だ。
ブランディングコンサルの選び方は?
ブランディングコンサルに求められるスキルに特定の基準は存在しない。そもそもブランディングを専門性高く理解して実行した経験がある人材が市場に少ないのだ。
元P&Gのようなマーケティングに強い外資系事業会社の出身者は、理論的なブランディングを高い実行力で推進する力を持っているケースが多い。あるいは、国内企業でも所謂ナショナルクライアントといわれるような、全国的に自社ブランドの広告展開をしている事業会社出身者も、ブランディングに明るい人材を輩出している。
ブランディングを外部に任す場合、候補となる人物が得意とする業界、BtoB or BtoC、企業規模の大小、製品、手段を見極めることが重要だろう。また、これからスケールアップを目指す企業・ブランドにおいては、現時点の広告宣伝費をベースに考えるのではなく、将来的な広告費の増額を想定し、巨大化したブランドコストを適切にマネジメントできる人材を選ぶべきだ。
シェアボスでブランディングのプロ人材を探すという選択肢も
上述のようなコンサルにブランディング依頼すると、コンサルタントの質にボラティリティがあったり、契約期間に融通がきかない等、高いフィーの割に不都合な面も多い。
一方、シェアボスには、実績豊富なブランディングのプロ人材がスポットコンサルの形で多数登録されている。“採用より早くて確実”をウリにしており、トップスキルを持ったハイクラスな人材を自社にアサインするハードルが低いのがメリットだ。実務経験者のみなので、戦略策定だけでなく実行支援までやってくれるのもポイント。また、定額制をとっており、人材の入れ替えやチーム編成の融通もききやすい。無料相談も行っているので、気になった方は相談からでもぜひ一度ご活用を。