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CSO(最高戦略責任者)とは
CSO(chief strategy officer)とは、最高戦略責任者と訳される役職であり、不確実性が増す現代のビジネス環境において注目度が高まっているポジションだ。主に企業の戦略部門・機能を管掌し、CEOの右腕として戦略立案と実行に責任を持っている。
CSOは1990年代後半からアメリカ企業で設置が増加し、2000年代以降日本企業でもポジションを設ける会社が増えている。アメリカでは、S&P500に選出されている企業の約50%がCSOのポジションを設置している、と言われているほどの存在感を持っている。
米アクセンチュアCSOのティモシー・ブリーン氏が『ハーバード・ビジネス・レビュー』に寄稿した論文『CSO:最高戦略責任者の役割』の中で、「CSOは単なる戦略立案者ではなく、実行するビジネスリーダーである」と述べているように、全社横断的な実行の責任も持っている点が特徴的と言えるだろう。
CSOが必要とされる背景
従来のアメリカ型の企業では、経営戦略は外部のコンサルタントに外注していた。しかし、事業の多角化やグローバル化など環境の複雑化に伴い、中期経営計画を熟知しつつ現場レイヤーの実行・マネジメントを遂行するために、戦略機能の内製化が進み、その象徴的な存在としてCSOポジションが求められるようになった。
また、CEOが下すM&Aなどの戦略的な意思決定は、机上の戦略より、スピードを担保した実行管理が重要であり、この企業運営のハイスピード化もまた、CSO出現の背景になっているだろう。
CEO、COO、CFOとの違い
CSOと近いCXOポジションとして、CEO、COO、CFOなどが存在する。ここでは各ポジションの役割について簡潔に解説し、比較の中でCSOの特徴を浮き彫りにする。
CEO
CEO(Chief Executive Officer)は最高経営責任者のことで、企業経営のトップであり、取締役会の監督の下、事業計画や経営方針を司る。
COO
COO(Chief Operating Officer)は最高執行責任者と訳され、CEOが決定する方針の、業務執行全般の責任者であり、企業のナンバー2と表現されることもある。事業が複雑化する中で、CEOが執行全般を掌握できなくなった昨今設置する企業が増え、日本でも日産自動車やソニーなどグローバル大企業はこのポジションを設けているケースが多い。
CEOの右腕、という意味ではCSOに近しいが、CSOの方が、戦略的事業に特化しているというニュアンスの違いがある。しかし、企業毎にその役割分担には違いがあり、境界が曖昧なケースもまま見られるのが実際だろう。
CFO
CFO(Chief Financial Officer)は最高財務責任者として、経営戦略に財務戦略を盛り込んで成長に貢献する責任を担う。キャッシュフロー管理から、財務諸表の作成・資金調達や買収など対外的な財務活動まで、お金に関わる事項の全てを担っている。
上述のように、COOは執行の長、CFOは財務の長として、時に責任範囲がCSOと重なることもあるが、中期・長期に目が行きがちなCOOやCFOより、率先垂範のリーダーとして、戦略プランニングと実行を両立させる点がCSOの特徴と言えるだろう。
CSOを導入している企業
S&P500に入る企業の50%がCSOを設置しているという話の通り、外資企業ではマイクロソフト、モトローラ、AIG、ユニバーサル・ピクチャーズなど、多数の企業が例として上げられる。一方日本では、グローバル展開をしている伊藤忠商事、ソニー、三菱重工、帝人などの大企業でのCSO設置が目立つが、ユニコーン企業といわれるスマートニュースなどの若い企業においても、規模拡大・グローバル戦略を見据えてCSO役職が存在する。
CSO設置のメリット
以下で、CSOを設置する主なメリット3つを紹介する。
戦略的な意思決定の高速化
外部のコンサルタントに戦略を外注するより、事業状況に詳しい人材がCSOとして戦略面の指揮を取るほうが、戦略決定から実行までのリードタイムを短縮できることは容易に想像できる。もちろん、戦略コンサルを活用するケースにおいても、企業の全体最適観点を持ち合わせるCSOが指揮をとった方が、有意義なアウトプットをコンサルから引き出せる確率も上がるだろう。
次期経営トップ候補の育成
CEOの右腕として戦略面の責任者を務めるCSOは、往々にして将来経営トップを担う優秀人材が任されるケースが多い。たとえば帝人は2003年に持ち株会社制に移行し、同時にCSO職を設置した。2008年には、CSOとして1年間経営企画に従事した大八木氏が社長に就任しており、これは、CSO時代のM&Aや戦略的な事業推進が評価されての抜擢だったという。
部署横断的に戦略を推進
日本企業では、従来から経営企画を所管する役員や、グループ統括部門の担当役員が存在するケースがあったが、これらの役員は経営計画の取りまとめ役といった色合いが強く、戦略参謀というより、事務局長的な存在であることが多かった。一方現代的なCSOは、グループ企業、ないし事業部門と横断的に関係構築し、グローバル展開やM&Aなど戦略性の高い案件を率先し、実行までの責任を持つ。
CSOの年収
企業によって大きく変わるが、参考としてglassdoor等アメリカの大手求人サイトでの統計データを見ると、米国主要都市では年収1,600万から2,100万円程度が平均的なCSOの年収レンジとなっているようだ。日本では統計的なデータは見当たらないが、ベンチャー等では年収1,000万以上から、大手事業会社では2,000万〜4,000万円ほどのレンジが報酬となっているケースが多い。
CSOへのキャリアパス
CFOやCMOと比較すると、CSO就任までのキャリアパスはパターンの幅が広い、といえるだろう。その中でも、戦略系のコンサルティング会社や投資会社を経験している人材や、大手事業会社で中核事業の推進から事業開発、経営企画など幅広く経験した後に取締役まで上り詰めた末に他社にヘッドハンティングされているケースが比較的多い。
たとえば、スマートニュース株式会社取締CSO任宜(にん・ぎ)氏は、ドリームインキュベータ(DI)でコンサルティング業務に従事した後、DIの中国オフィス立ち上げに参画、その後DeNA ChinaのCEOを務め、さらにその後スマートニュース社の取締役CSOに就任している。コンサルと事業会社の戦略的な事業やフェーズのど真ん中を進んでいる点で、非常にCSO的なキャリア、と言えるのではないだろうか。
CSOが必要な企業
では、どのような企業でCSOが必要なのだろうか。事業が拡大フェーズにある企業、非連続なイノベーションが求められる企業、拡大に伴い経営・戦略に関するアカウンタビリティが増している企業など、戦略に関わる広い課題に対してCSOは貢献できるだろう。たとえば、以下のような経営の業務・課題でお悩みの場合、プロのCSO人材の獲得を検討してもよいと考えられるだろう。
- 新規ビジネス企画・立ち上げ
- マーケティング戦略の立案・実行
- 部署横断的な事業のマネジメント・推進
- グローバル戦略の立案・実行
- M&A戦略の立案・実行
- 経営戦略・事業計画の策定・管理・説明
シェアボスでCSOを探すという選択肢
一般的にはエグゼクティブマッチングサービスやヘッドハントを使ってCSO人材を探すことが多いが、こういったサービスのエージェントは、企業ごとの状況や特性を理解した上で、マッチする”戦略のプロ”を探すレベルが十分高いとは言えず、企業の経営陣が満足できるレベルのマッチングが成就しないケースが多い。
また、CSOになり得る人物が、そもそも人材市場に出回っておらず、採用活動を委託しても高額な費用と時間を無駄にしてしまう可能性があることも懸念点だ。
そこで、一般的な採用より“早くて確実”をウリにしているシェアボスで、スポットコンサルとしてCSOレベルの人材を見つける、という選択肢がある。
シェアボスには、有名企業でのCSO経験者や、CSOという役職ではないがそれに近い経営戦略に携わっていた人材が揃っており、既存のマッチングサービスよりもマッチ度の確実性が高いのが強みである。戦略策定だけでなく実行支援も可能な実務経験者であり、かつコスト面でも戦略コンサルや顧問サービスより導入しやすいという優位性もある。無料相談も行っているので、ぜひご活用いただきたい。