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CIO(最高情報責任者)採用のポイントとは? 採用メリットから求人方法までご紹介

DX時代に重要性されるCIO採用、その理由とは

近年耳にする機会が多くなったDX=Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)とは、データやデジタル技術を活用することでビジネスを変革し、新たな価値を加えて競争上の優位性を確立することである。

2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を発表したことからもわかるように、国をあげて推進されているDX。このガイドライン内では「DX推進のための経営のあり方」に言及されており、そこで重要視されるポジションがCIOである。

本記事では、CIOの役割、どのような企業がCIOを採用すべきなのか、採用方法にはどのような選択肢があるのか、といったCIO採用に関する関心事を網羅的に紹介するととともに、社外CIO・スポットCIOという選択肢を提示する。

CIO(最高情報責任者)とは

CIOとは「Chief Information Officer」の略で、最高情報責任者の意である。文字通り情報戦略における最高責任者であり、一般的にイメージしやすい情報資産やシステム、IT部門等の管理・活用という役割を持つ。また、経営レイヤーとしてそれらのテクノロジーを活かした経営戦略の策定やIT投資の執行などもCIOの役割である。

社内インフラが高度化し、利用するシステムがオンプレミスのみならずクラウドやSaaS活用等、選択肢が急増した現代において、CIOの存在感は増している。

CIOとCTO、CDOの違い

CIOと近しいポジションでCTO、CDOという上級役職がある。これら役職の管掌範囲の違いを把握することも、CIO採用の第一歩になるだろう。

CTO(Chief Technology Officer

最高技術責任者と訳されるCTOは技術関連業務の執行責任を持ち、企業の長期的な技術戦略を立てる役割を果たす。CIOが情報システムを主に管轄するのに対し、CTOは技術関連全般を管掌するという色合いの違いはあるが、企業によってはCTOが情報システムを含めて統括するパターンもある。

CDO(Chief Digital Officer

最高デジタル責任者を指すCDOは、その名の通りデジタルに関する執行責任者である。デジタル戦略の立案・遂行やDXの推進など、果たす役割としてはCIOと重なる部分も大きく、CIOの後継的ポジションと見られることも。ただしこちらは、データの収集・整備をする仕組みを作り、マーケティングや新規事業に活かすなどマーケター的側面も強いのが特徴である。

 

CIOを採用すべき企業とは

CIO採用

1980年代にアメリカビジネス界に登場したCIOだが、これまで日本ではCIO設置がなかなか進んでこなかった。2000年代にPC、WEB、モバイルの利活用が一気に広がったことで企業や消費者を取り巻く環境は目まぐるしく変化していったが、その後もその変化に対応できなかった企業は多い。

東急ハンズの事例

株式会社東急ハンズも、その頃売上減により店舗展開が止まりシステム開発を凍結していた企業のひとつである。だが、元・株式会社メルカリの執行役員CIOである長谷川秀樹氏を招いたことで、レガシーシステムを完全クラウドコンピューティング化・自社開発化を行い、コストをかけずシステム開発ができる体制を構築した。同氏はその後も東急ハンズアプリで次世代の買い物体験への変革を推進するなどし、大きな収益成長を果たした。

KADOKAWAの事例

また、出版業界に先駆けてグループ全体でDX推進を図るKADOKAWAも、2014年に経営統合したドワンゴのインフラ改革が長年の懸案事項だった。システム全体の老朽化、新旧のインフラが入り乱れるネットワーク環境など技術負債が多かったが、2017年、ITエンジニアとして各務茂雄氏が入社。仮想サーバーの導入、最新インフラへの統一、DevOpsを取り入れて運用の自動化などを図り、20億円のコストダウンを実現した。同氏はその後カドカワ株式会社のグループCIOを務めた後、グループのDXを一手に担うため設立された株式会社KADOKAWA Connectedの代表取締役社長に就任している。

このように、規模的に成熟した大企業であっても、スムーズにDX化できていない企業はぜひとも経験豊富なCIO起用を検討していただきたい。また、これから拡大を目指すIT系ベンチャーやスタートアップにおいても、情報システム戦略を先手先手で推進するため、早い段階でCIO採用という選択肢を考えてみてはいかがだろうか。

CIO採用のポイント

こちらでは、CIOの果たすべき役割や信頼に値する経歴について解説を行う。CIO採用のポイントとしてお読みいただきたい。

CIOの業務内容・求められるスキル

ITマネジメント

ITマネジメントは企業全体のITに関する活動の管理・運営を指す。CEOら経営陣の一員として自社のデジタル戦略・ITアーキテクチャ戦略を立案するのはCIOが取り組むべきメインミッションである。IT投資効果を最大化するための適切な予算配分の主導、ITシステムを武器とした組織改革などが含まれるが、このため、CIOには情報管理やITシステムに関する知識だけでなく、経営管理についても深い知識と経験が求められる。また、優秀なIT人材の確保・育成といったITリソースマネジメントもCIOが管轄すべき領域である。

ITビジネス創出

社内の既存のノウハウから新規ビジネス作るアイデアマネジメント、外部知見を取り込むオープンイノベーション、それらの概念実証=PoCまで司るのもCIOの責任範囲だ。

既存IT技術活用による新サービス開発の例として「UberEATS」がある。元々配車サービスとして始まったUberが新たに開始したのが、フードデリバリーサービス「UberEATS」である。配車サービスで築き上げたオンデマンドシステムをフードデリバリーにうまく活用した事例だと言える。こうした自社の持つIT財産を把握して新たな価値を生み出す、いわば「攻めのDX」もCIOがかなえるべき役割だと言える。

ITリスクマネジメント

企業や組織の持つ情報システム、また企業が提供するサービスや製品のリスク管理を行うこと。標的型攻撃やサイバー攻撃、機密情報漏洩、自然災害や通信障害等によるサービス停止など、そのリスクは多岐にわたる。そうした可能性と影響具合を正確に把握し、リスクを最大限防ぐために管理をすること、またそのために新たなIT投資を決めることはCIOの果たすべき最重要事項とも言えるだろう。

なお、東急ハンズの事例でご紹介した長谷川秀樹氏が代表理事を務めるCIOシェアリング協議会が作成したCIOとは?必要な知識・スキル・経験やキャリアパスについて解説」の中でも、CIOの役割やCIOに求められるスキルについて紹介されているため併せてお読みいただきたい。

CIOのキャリアステップ

信頼に値するCIOはどういったキャリアステップを歩んできているのだろうか。CIOに明確なキャリアパスは存在せず、道筋は様々だ。いくつか具体的な事例を用いて説明していこう。

エンジニアからCIO

上述した株式会社KADOKAWA Connectedの代表取締役社長を務める各務氏は、エンジニアとしてキャリアをスタート。その後はプロダクトマネージャーや技術部長、開発アドバイザーを経てCIOに就任した。

マーケターからCIO

元ANAのCIO(現:長崎空港ビルディング株式会社の代表取締役社長)の幸重孝典氏は、ANAで営業、マーケティング部門で長年経験を積んだ後、IT推進部門の室長、CIOに就任した。

コンサルティングからCIO

元・株式会社メルカリの執行役員CIOである長谷川氏はコンサルティング会社の営業から情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者に。その後デジタルマーケティング領域を率いたあとCIOに就任した。

上記はあくまでも一例だが、CIOを担える人物のキャリアパスは多岐にわたる。社内CIOを採用するか、社外CIO・スポットCIOを採用するかなどでも求めるスキルや判断基準は変わってくるが、ぜひ、自社の現状の情報戦略を鑑みたうえで最適な人材を見つけていただきたい。

 

CIOのスキルを証明する資格はあるか

CIOのスキルを証明できる明確な資格は存在しない。また、実績のあるCIOが必ずしも保持するわけではないが、情報システムにおける以下のような資格は、CIO候補を検討する際の目安として参考にしていただきたい。

ITストラテジスト

国家資格。旧システムアナリスト試験と上級システムアドミニストレータ試験を統合した、情報系の資格の中でもトップレベルの難易度となる情報処理技術者試験。情報技術に対する深い知識と経験を、経営者の視点でシステムを企画・設計し、経営者に説明できる能力が求められるため、CIOに求めるスキルと親しいと言えるだろう。

システム監査技術者

国家資格。ITストラテジスト試験と並んで、情報処理技術者試験では最高峰の難易度である。システム監査技術者は、監査対象から独立した立場で、情報システムのリスクやコントロールをを総合的に点検・評価し、トップマネジメントに報告、改善勧告を行う能力が問われる。現場ではなく経営レイヤーに位置するCIOの候補を検討する際にもスキルを測る指標となるだろう。

ITサービスマネージャー

国家資格。実務経験による知識がないと難しい中級者向け試験。情報システム全体において、安定稼働の確保、障害発生時の最小化を図る対応、継続的な改善など信頼できるサービス提供を行う能力を持っているかどうかが評価される資格である。この資格を持つ=CIOにふさわしいと直結はしないが、システム・サービスへの高い経験を見る指標にはなりそうだ。

 

CIO求人の方法論

 CIO採用のコスト

CIOが得る年収は、在籍する企業の規模感によって異なるが、未上場やベンチャー企業のCIOであっても1,000万円近い金額になることが多いだろう。

2018年のロバート・ウォルターズ・ジャパンが発表した「給与調査」では、CIOの年収は5,000万円にものぼる。これは2018年度の職業別年収(日本)ランキングではCFO、CTOと並んで最高順位である。もちろん平均ではなく、国内でも最高金額を記載しているのだが、それにしてもCIOの給与ランクの高さが伺える。

社外CIO、スポットCIOはこういったコスト面でもメリットがある。社外CIOに対する費用は固定費ではなく変動費として扱えることもそのひとつだ。初期費用がかからない、もしくは比較的小さく抑えられる契約期間や契約形態を柔軟に設定し、適切なコストパフォマンスを発揮してもらうことができる。

CIO採用を考える時には

一般的なCIO採用方法は以下2パターンが考えられる

創業者や経営メンバーの伝手を使って探す

こちらの採用方法はCIO候補者の人物像やスキルをよく知っているため、採用後もイメージの乖離がないことがメリットだろう。一方で、経営層が必ずしもCIO候補者への伝手があるわけではない。また、採用後に何かしらのトラブルが発生した場合のコミュケーションコストが大きいのはデメリットとして考えられる。

エグゼクティブマッチングサービス / ヘッドハントを使って探す

こちらはどのような企業であっても一律に開かれている点、また、候補者の母数が広がるので採用候補者を見つけやすい点はありがたい。ただし、必ずしも候補者が見つかるとは限らず、また見つかった際もマッチングするかは不確実だがコスト・時間がそれなりにかかるという点がデメリットとして挙げられる。

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